概要 | (ほぼ)富裕層向け節税の紹介 |
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ターゲット | (ほぼ)富裕層 |
おすすめ度 | ★★★ |
残念度 | ☆☆(改正には要注意) |
発売日 | 平成26年4月25日/平成26年5月16日(第二刷) |
みなさんお元気ですか。
覆面税理士のKです。
国税OBの杉本先生と
幻冬舎のコンサルチーム
GTACによる節税本です。
減価償却について、
個人事業主は強制償却ですが、
法人であれば任意償却になります。
よって法人であれば、
一定の条件はありますが、
会社の黒字赤字に応じて、
調整が可能となります。
この点は以前取り上げました。
ただ今回のターゲットは
ズバリ富裕層です。
儲かりすぎて、
税金が多額になるため、
いち早く費用化が望める
商品は魅力的なわけです。
また、設備投資や退職金等、
支払う金額も大きくなるので、
ある程度計画的な、
利益と費用の調整できれば、
非常に助かります。
本書では、そのような商品の
紹介を行っています。
章立てを抜粋すると、下記の通りです。
『高級中古車、クルーザーは使い勝手のいい償却資産』
『航空機・ヘリコプターで大規模投資、短期償却』
『太陽光発電で100%即時償却も-まだまだ使える資産』
「高級車」や「クルーザー」は、
正直言ってよくある話です。
中古車を購入する場合、
新車よりも耐用年数は、
短くなります。
そのような計算式に
見合う商品を選べば、
短期で多額の費用化も
可能となります。
(実態が伴う必要はあります)
「太陽光発電」も
数年前に流行しました。
現状でも政策的見地から、
期限付きとなりますが、
税務的な優遇も何点かはあります。
ただ、この中で最大投資と言える
「航空機リース」については、
お恥ずかしながら、自分は実務上で
携わったことはありません。
本書記載の通り、
「直接保有」等の重要ポイントを
きっちり把握していれば、
とても効果的であるとは思います。
ただ、「航空機リース」といえば、
会計業種の方なら、
節税よりもスキーム的なイメージが
強いかもしれません。
国税側も最高裁敗訴の関係上、
狙っている感もすごくあります。
(本書発売後の判例になります)
近年の税法改正で
生命保険利用の節税スキームも
厳しくなってしまいました。
「航空機リース」についても、
その高い節税効果の代償として、
強い潜在リスクを有するものです。
手放しでおすすめできる類のもの
ではないと思われます。
本書はあくまで、
富裕層の節税「知識本」になります。
よって、ベタな終わり方になりますが、
実際の取引等の判断については、
本書記載の免責事項の通り、十分にご注意ください。
『取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします(P.231)。』
そんなところで、お時間一杯一杯。
本日は以上になります。